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愛のむきだし (2008)

★★★★★★★★★☆


―あらすじ―
敬虔なクリスチャンの一家に生まれた青年、角田ユウ。
母を亡くし、神父の父テツと2人暮らしをしている。
彼は、理想の女性“マリア”に出会う日を夢見ていた。
ところが、ある出来事をきっかけに、優しかった
父は、ユウに対して懺悔を強要するようになり…。


監督・脚本は『自殺サークル』『紀子の食卓』園子温
アクション監督は『東京残酷警察』カラサワイサオ
アクションデザインは『地獄甲子園』坂口拓
音楽はゆらゆら帝国
主演はAAA(トリプルエー)西島隆弘
そして元Folder5満島ひかり
共演は安藤サクラ、尾上寛之、渡辺真起子、渡部篤郎ら。
実話を基にした約4時間のエンタテインメント大作。

第9回東京フィルメックス(2008)に於いて、
観客投票で選出される「アニエスベー・アワード」受賞。
第59回ベルリン映画祭(2009)に出品されて、
「カリガリ賞」「国際批評家連盟賞」を受賞。

ainomukidashi01.jpg

設定要素からして、「勃起」「盗撮」「パンチラ」「レズ」
「虐待」「宗教」
とイケナイ臭いがプンプン。
それでも、全てひっくるめて「愛」、剥き出しの「愛」。
個人的には、『世界の中心で、愛を叫ぶ』『電車男』
『恋空』等よりよっぽど純愛映画
であると思った。

とは言え、恋愛物のジャンルには入れ難くもある(笑)
「これは僕の恋愛に関する物語だ」と最初に断りを入れては、
在日韓国・朝鮮人のアイデンティティーを描いた『GO』の様。
根底こそ「愛」を主題にしつつも様々な問題を背景にしている。

作品には、宗教による“自由と支配”、“理性と本能”と同時に
“純愛と変態”(!?)の葛藤有る恋愛感情が映り出されている。
性欲に対する“罪と罰”さえ窺える、哲学的社会的変態的意欲作
まあ普通に一青年の青春モノって括り方が妥当なんだろうけれど。
ただ、人間的な、根源的な「愛」を描いた一大叙事詩だと言える。

「実話が基」なんて言っても、いくらなんでも脚色し過ぎ(笑)
というか、飽くまで実体験や知人の出来事から着想を得た
という事であり、それを鑑賞者が意識する必要性も無い。
寧ろそれすら、監督のセンスであり物語のノリだと窺える。
何たって、盗撮がカッコイーってなっちゃうんだもん(笑)

ainomukidashi04.jpg

そんな本作、強烈なパンチを放つ、パワフルな映画。
荒削りかもしれないが、それでも滾るテンションに途切れ無し。
237分の大長編なんて関係無しにブッ続けに見れる魅力満点。
激情たっぷり愛情フルスロットル!「勃起」は「愛」なのだ!!

一般的に卑猥な事柄を設定に盛り込んでは、一歩間違えれば
トンデモ映画だったり単なる変態映画に陥り兼ねない
危険性に
溢れつつ、ギリギリのライン(!?)で時に面白く、時に重く、
時に切ないのは監督の演出の妙って事なのだろう。ナイス手腕。
例えば、映画監督業にも手を出した漫画家・江川達也は、主に
漫画作品でだが、結局は「追究すればSMに行き着く」という、
いい加減に飽き飽きした主張をしてはウンザリするし単純に下品。

先の読めない展開にドキドキ、ハラハラさせられては
収集着かなくなりそうな不安を覚えてしまう展開が続く。
が、それも杞憂に終わっては感動的な終盤を迎える。
そして思う、「確かに“愛”の物語だった」と。
本気で「愛」を描こうとすれば、猥雑なモノ、下品なモノは
避けては通れず、それを踏まえて人間の本質に迫った愛物語
ユウの奪還作戦が都合良い展開でスムーズなのも
時間を掛けないファンタジー演出として納得出来る(笑)

長過ぎて、劇場ではインターミッションを挟み、ソフト化に
於いても前編・後編に分けられているが、ノリにノッた前編が
大々的なタイトル表示を経てまさかの序章
というのも笑い所。

ainomukidashi05.jpg

父親を想い懺悔の為に罪を作る主人公・ユウってのも良い。
ファザー・コンプレックスをありありと見せられる。
で、何故か「盗撮」に行き着くという遣り過ぎ・苦笑展開かと
思えば、紙一重の笑いに繋がり、コミカル展開が微笑ましい。
その中で、徐々に忍び寄る影、不穏な流れが胸を突いてくる。
嘘臭くも何処か現実味が有り、ポップながらもシリアスな
雰囲気を帯びた映像ゆえに、最後まで目が離せないのだ。

主題歌であるゆらゆら帝国「空洞です」による所も強い。
そしてそれが、作品にマッチした相乗効果ぶりを発揮する。
映画の主要な登場人物の生い立ちは凄惨なもので、それに
起因して、この曲名に例えるべく「空洞」が在るからだ。
ユウも、ユウの父親も、ヨーコも、コイケも。

宗教的な「罪」、という世間一般で言う「変態」、という
「愛」を以ってしてユウは唯一人宗教には洗脳されない。
他の者は「空洞」を宗教で満たそうとした。というか
「空洞」に付け込まれる様に宗教に染まってしまった。
が、ラストで結ばれるユウとヨーコが壮大なる感動を与えると
同時に、結局は宗教では本質的には満たされなかった事を暴く

と思えば、新興宗教に入信したヨーコの奪還に挑むユウは、
まるで宗教的な「自己犠牲」でもあった様にも感じられる。
意図してないかもしれないが、不完全である人間らしい矛盾を
残している様な、宗教丸ごと否定はしてないっていう証明にも
見てとれる。と、そんな勝手な自己解釈しちゃってます(恥)

というか、元々宗教批判してる訳ではない。
盲目的な信仰はマヤカシとは言ってる気がするけど。
・・・マリリン・マンソンって事ですね!?(笑)

少なくとも、本作のとある新興宗教への入信は、
「空洞」を埋めたと誤魔化すだけで、本当に満た
せるのは「愛」なんだぜ!?っていう感じかな。

全てが理解出来た訳では無いし、分からない所も有る。
しかし、だからこそ語るに足る映画になっていると言える。
コイケの自殺は失望なのか成就なのか、とか。
刀はやっぱり男根を表しているの?、とか。
それに加えて、自分は「女装さそり」が『女囚さそり』って
位しか分からないが、有るだろう元ネタ探し(オマージュ)も
オマケ的な楽しさを味わえる所である。

ainomukidashi03.jpg

それから勿論、完成度の高さは役者陣による所も大きい。
女装が似合う、芯から純粋そうなユウを演じる西島隆弘
変態だけども、感情移入しては応援せずにはいられない。
映画初出演にして初主演とは思えぬ、熱演にして適役。
AAAを止めて役者一本で行けばいいのに(笑)
個人的に、この気持ちはV6岡田准一以来(笑)

それから、Sッ気ムンムンながら人間的に弱い部分もある、
クソ可愛いのにクソ最悪な性格のヒロインの満島ひかり
男だったら、一度は惚れちゃう(!?)魅力に溢れている。
自ら壁にぶつかったり、中指立てる場面などが印象的だった。
荒れ放題のファッションにも男心をくすぐられる(!?)部分。
後半にある『新約聖書』「コリントへの手紙一第13章・愛
の賛歌」
を叫ぶ様に詠み上げる場面はインパクト大の場面だし、
「これぞ女優」と思わせる場面であった。

そんでもって、ダークで恐ろしさプンプンの悪役の安藤サクラ
『ダークナイト』ジョーカーの様な、はたまた漫画で言えば
『HUNTER×HUNTER』ヒソカの様な、皮肉を纏った
イヤラシイ魅力に満ちた役柄であり、自由気儘に主人公を翻弄。
画面から伝わる不気味さ、彼女の怪演も評価される所だろう。

コイケの父親役の板尾創路にも、リアルな怖さが有った。
彼の演技も然る事ながら、申し訳無い事に、1994年に起こった
彼の淫行問題が頭にチラ付いてはリアリティーが増し、結果、
笑いすら狙っている様な、ユーモア有る場面に感じられるのだ。
漫画『バクマン。』でいう所のシリアスな笑いって感じ!?(笑)

ainomukidashi02.jpg

唾を吐いては自分に掛かるし、中指立てるし、パンチラどころか
パンモロ満載で、エンターテイメントでありながら遠慮の無い
カメラに演出も評価される所だろう。
別にパンチラが見たい訳ではないが、女の子、取り分け女子高生が
アクションをカマす映画も少なくない近年、アクションが大振りな
癖してパンチラはしない、見せないモノが多い。
その所為でダイナミズムが損なわれリアリティーに欠けてしまう。
そんな残念配慮が多い中、その対策として(!?)「スカートの
下はスパッツ穿いてます」アクション
なんて逆効果で愚の骨頂だ。

要するに、何から何まで妥協せず、良いも悪いも曝け
出した作品ならば、作品に懸ける本気度が窺えるって事。
綺麗事だらけの恋愛映画なんて虚飾塗れの欺瞞映画でしかない。
臭い物に蓋をしない、汚い部分すら隠さず見せて愛してみろよ。
分かり易い例が、渡辺真起子演じるサオリであり、彼女は自身に
余りに素直で直情的で、誰がどう見たって無分別過ぎる程に
「愛」に対して“むきだし”だった。

エロ(変態)&バイオレンス、そして宗教のごった煮映画
取り留めの無くなりそうな具材を見事に調理しては
監督の悪趣味っぷりをエンターテイメントとして昇華出来た、
絶妙過ぎるエネルギッシュな超絶ファッ○ン・ムービーである。

『キック・アス』『サウスパーク 無修正映画版』のノリを
楽しめる人であれば、きっと本作も面白い筈!・・・多分。
ノリに任せたハイテンポな展開、好きな人は好きな筈だ。

逆に、本作を駄目だと言う人は、それはまあしょうがない。
が、とあるインタビューで、「史上初のロックスターは
キリストだと思う」
と言った監督のスタンスを踏まえれば、
お堅いモラリストでなければ本作の見方も変わり、多少は
面白く感じると思う。
因みに、『三丁目の夕日』を観たかという質問に、
「観るわけないじゃん(笑)」と答えている(笑)

少なくとも、低俗・卑俗でありながらも崇高という
矛盾が一致する「愛」
という精神を描いた前衛的な
映画である事は間違いない。
と同時に、サブカル臭い様で、実はポップ嗜好な
層にこそ見て欲しいという監督の意欲作
である。

判決、無罪

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(2009/07/24)
西島隆弘、満島ひかり 他

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プロフィール

スケ♪

Author:スケ♪
映画大好き、感想言いたい!
…というワケで(!?)
気ままに映画批評なエブリデイ!
折角だし裁判という形で行こう!

満足度は10段階の評価です。
有罪、無罪の判決をします。。
あくまでも一個人の戯言です。。。

個人的に好きな“お笑い”であったり
“hide”“Marilyn Manson”に例えて
語る事も有ったり無かったり…

●好きな映画監督
園子温(変態っぽい)
中島哲也(徹底してる)
クエンティン・タランティーノ(オタク)
●好きな役者
窪塚洋介(怪演王子)
ジョニー・デップ(昔はアウトロー)
エマ・ストーン(フツーに可愛い)

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